「ざっくり」わかる不動産の相続税評価

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承継二郎
相続税における不動産の評価方法も複雑だと聞いたのですが。
貝井
今回は、不動産の評価について、「ざっくり」ご説明いたします。

 

土地の相続税評価の原則

不動産に限らず、相続税の申告において財産を評価するには、法人税法22条で、「当該財産の取得のときにおける時価」によります。

では、「時価」とは何でしょうか。

時価については、国税庁が「評価通達」という内部規範を定めており、税務当局は「評価通達」に基づいて適否を判断しています。

土地の評価は、国税庁が定めた「路線価」によるのが原則です。

 

たとえば、Aさんが以下のような土地を保有していたとします。

 

【住所】 ○○市 ××町 5丁目 3-12

【面積】 100㎡

 

国税庁の財産評価基準書路線価図・評価倍率表で、「路線価」を調べます。

○○市 ××町 5丁目 3 の路線価が、50万円/㎡だったとすると、課税価格は以下のようになります。

100㎡ × 50万円/㎡ = 5,000万円

Aさんの土地の相続税の課税価格は5,000万円です。

 

土地の相続税評価の例外

「え?たったそれだけですか?小学生の算数じゃないですか!?」

そのように思って、拍子抜けしたかもしれません。

実は、土地の相続税評価の「原則」は簡単なのです。

しかし、問題は「例外」が数多くあり、その「例外」をいかに使うかで土地の評価が決まってしまうことです。

 

たとえば、さきほどのAさんの土地が、道路に面していない場合を考えてみましょう。

路線価の定義は以下の通りです。

「路線価」は、路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額(千円単位で表示しています。)のことであり、路線価が定められている地域の土地等を評価する場合に用います。

(国税庁ホームページより)

つまり、道路に面しており、かつ「標準的」な土地の評価です。

道路に面していない土地は、ほとんど価値はなく、道路に面する土地と同じように取引することなど不可能でしょう。

ですので、国税庁の通達『No.4620 無道路地の評価』で以下のような規定が設けられています。

無道路地とは、一般に道路に接していない宅地をいいます。
この無道路地の価額は、実際に利用している路線の路線価に基づき不整形地の評価又は地積規模の大きな宅地の評価によって計算した価額(具体的な計算方法については下記設例を参照してください。)から、その価額の40%の範囲内において相当と認める金額を控除して評価します。

 

Aさんの土地は、最大40%の控除、つまり、5,000万円から、最大2,000万円を控除して、3,000万円で評価することができます。

正確には、以下のような式で計算します。

路線価 × 補正率 × 地積 = 評価額

従って、Aさんの土地の評価額は以下のように計算します。

50万円/㎡ × (1-0.4) × 100㎡ = 3,000万円

なお、「最大」40%であって、具体的に何%であるかは、土地の実態によって異なります。

 

このような補正を「無道路地補正」といいます。

「例外」を補正率を用いて修正するのわけですが、他にも以下のような補正があります。

  • 奥行価格補正
  • 間口狭小補正
  • 奥行長大補正
  • 不整形地補正
  • 無道路地補正
  • がけ地補正
  • 私道補正

 

ただし、税務当局から、「補正した上で評価してください」とは言ってきません。

あくまで、納税者が、補正した上で相続税を申告してきた場合には認める、ということです。

つまり、補正できることを知らなければ、原則である「路線価」で申告して、高額な相続税を支払ってしまう可能性があるわけです。

 

建物の相続税評価

建物の相続税評価はほんとうに簡単です。

固定資産税評価額がそのまま評価額になります。

あなたのところにも、年1回、固定資産税納税通知書が送付されているはずです。

 

まとめ

土地の相続税評価の原則は、路線価 × ㎡ です。

しかし、「例外」がたくさんあり、知らずに申告をしてしまうと、相続税を多く支払ってしまうリスクがあるので注意しましょう。

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