データで見る事業承継の現状Ⅴ 廃業の決断

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承継二郎
廃業する企業はどのように決断するのですか?
貝井
廃業する企業は事前に検討せずに、廃業を決めています。

廃業の決断データ

中小企業庁の『中小企業白書』の「廃業を決断するまえの事業承継の検討状況」によると、以下のようになっています。

なんと、6割以上の企業が、事業承継について、よく検討することなく、廃業を決めています。

では、ここではもうひとつのデータ「事業承継に関して相談しなかった理由」を見てみましょう。

なぜ、事業承継について、相談しなかったかについては、「相談しても解決するとは思えなかった」という回答が3/4を超えています。

廃業の決断データからの考察

要するに、廃業を決断する経営者は、自ら検討することなく、誰かに相談することもなく、廃業を決めている、というのが現状です。

 

実際にはどうでしょうか。

たとえば、私が関わった会社にも、息子さんがいるが、会社を承継する意思がないので、廃業の相談に来た経営者がいました。

経営者が言うところでは、息子さんは大企業の管理職なので、いまさら大企業を辞めて、うちの会社を継ぐことはない、とのことでした。

しかし、息子さんによくよく話を聞いてみれば、実は会社の業績はよくなく、リストラが始まっている、とのことでした。

そして、この機会に、子供のころから馴染みのある父親の事業を継ぐのも悪くはない、と思っていました。

とはいえ、中途半端な気持ちで会社を承継させるわけにはいきません。

何回かお話をしているうちに、父親の会社を承継したい、と固い意志で息子さんが言ってきました。

最終的には、息子さんが後継者として、会社を承継することになりました。

 

このように、「後継者がいない」と思っていても、実は、後継者になる人がいるかもしれないのです。

この会社も、息子さんに意思を確認しなければ、そのまま廃業していたでしょう。

 

本当に後継者がいない場合であっても、M&Aで第三者に売却する、という手段もあります。

廃業を考えている、という経営者が私のところに相談に来ました。

その会社の状況を聞くと、他では聞いたことがない特殊な販売ルートを持っていました。

私は、この販売ルートに興味をもつ他の会社が、M&Aで買収する可能性が十分にあることを伝えました。

その経営者は、「うちのような中小企業が売れるのか?」と半信半疑でした。

しかし、私(正確には、私が取締役を務める㈱M&Aの窓口)とM&Aアドバイザリー契約を締結しました。

やはり、思った通り、販売先に興味を持つ会社が現れ、M&Aで売却することができました。

 

この会社も、M&Aという手段をとらなければ、廃業していたでしょう。

 

「後継者がいないのであれば、廃業すればいいだけ」という経営者がいます。

しかし、廃業というのは、思っているより簡単ではなく、様々な関係者に迷惑がかかります。

コストについても、弁護士費用のような直接的なものだけではなく、風評被害などの間接的なものも含めて、相当かかります。

廃業手続を終えた時には、経営者には財産が残っていないか、また、下手をすれば、借金を抱えたまま廃業することも珍しくありません。

できるだけ、廃業は避けるべきだと私は考えています。

 

とはいえ、経営者が、息子さんや娘さんに対して、会社を承継するかを確認することはなかなか、照れくさくて難しいのではないでしょうか。

また、逆に、息子さんや娘さんから会社を継ぎたい、と伝えることも、難しい。

このような場合に、私のような第三者を利用して、お互いの意思を確認することは効果的です。

 

また、M&Aといっても、経営者自身が買手を見つけるとなると、同業者くらいに限られます。

やはり、プロのM&A仲介会社を利用する方が、買手を見つけやすくなります。

M&Aのマーケットには、様々な買手候補・売手候補がいます。

私自身も、当初は想定していなかった売手候補が現れ、驚くことがしばしばあります。

 

このように信頼できるできる第三者に相談することで、事業承継問題が大幅に改善させることができます。

まとめ

事業承継問題を検討したり、相談したりしないで廃業する企業が多い。

しかし、信頼できる第三者に相談することで、親族内承継やM&Aという道が開け、事業承継問題を改善させることができます。

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