データで見る事業承継の現状Ⅳ 経営者の年齢と利益率

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承継二郎
「死ぬまで、経営者を続ける」という経営者も多いですよね?
貝井
現実には、高齢で会社を経営するのはなかなか難しいですよ。

経営者の年齢と利益率データ

中小企業庁の『中小企業白書』の「規模別・経営者年齢別の経常利益率の状況」によると、以下のようになっています。

小規模事業において、40歳未満の経営者においては、横ばいと減少傾向が4割程度でほぼ均等です。

それが、年齢を重ねるにつれ、減少傾向が増加し、70歳以上においては、横ばいが3割に対して、減少傾向が7割まで増加します。

 

一方で、中規模事業においても、40歳未満では、増加傾向3割、横ばい4割、減少傾向が3割、と横ばいが減少傾向を上回っています。

それが、年齢を重ねるにつれ、減少傾向が増加し、50歳代で減少傾向が横ばいを上回ります。

70歳以上になると、横ばいが3割に対して、減少傾向が5割にまで増加します。

 

小規模事業、中規模事業、ともに経営者が年齢を重ねるにつれて、利益は減少傾向となっています。

経営者の年齢と利益率データからの考察

では、なぜ、経営者が年齢を重ねるにつれて、利益は減少傾向になるのでしょうか。

もちろん、様々な要因があります。

たとえば、経営者の体力や意欲が減退することが、大きな要因であることは間違いありません。

しかし、もっとも大きな要因は、設備や人に、新たな投資をしなくなることだと考えます。

 

たとえば、旅館において、80歳の経営者が、連帯保証を背負って、新たな借入をして、旅館の設備投資をすることは考えにくでしょう。

なぜなら、今後10年間をかけて、90歳まで借金を返済していくことは経営者にとって大きな負担となるからです。

これが、50歳であれば、将来のために、設備投資に賭けて、今後のリターンを得よう、と思うでしょう。

しかし、80歳で、投資に賭けて勝利したところで、リターンを得られる期間は限られます。

そうであれば、そこまでのギャンブルはせずに、おとなしく経営していこう、と思うのは当然でしょう。

 

しかしながら、経営環境は変化します。

とくに、最近の経営環境の変化はめまぐるしく、10年前にガラケーが一世を風靡したかと思えば、今ではスマートホンしか、見かけません。

新たな投資で、ビジネスモデルや商品を変えていかなければ、会社は生き残っていけません。

そうなると、将来の投資への意欲を失い、過去のビジネスに固執するだけの経営者では、会社の利益率が減少することは無理もない話です。

 

もちろん、これらの話は後継者がいる場合には変わってきます。

たとえ、高齢になっても、後継者のために次世代に向けた投資をしよう、という経営者もいるでしょう。

しかし、以前にご説明した通り、現在では後継者がいない会社の方が、後継者がいる会社よりも多いのが現実です。

後継者がいないのであれば、投資をしても意味がないと思うのは当然です。

 

では、どのようにすべきなのでしょうか。

まずは、事業承継の必要性を認識し、会社の将来について考え、事業承継計画を策定することです。

その結果、後継者がいない、という結論に達する場合もあるでしょう。

もちろん、廃業という選択肢もありますが、廃業はいつでもできます。

まずは、M&Aで第三者に会社を売却することを検討しましょう。

それで、ダメなら、廃業を検討しましょう。

 

自分の会社が売却なんかできるのか?と思うかもしれません。

しかし、あなたの会社を欲しがる会社は世の中にたくさんあります。

あなたの会社の技術、仕入先、得意先、許認可等の中には、経営者自身が当たり前だと考えているものでも、第三者にとって魅力的に映るものがあるのです。

とはいえ、M&Aで売却先が現れるかどうかも、会社の魅力に依存します。

そして、「利益の出ている会社」や「事業が古びていない会社」が魅力的なのは言うまでもありません。

つまり、経営者が高齢になることで、利益が出なくなったり、事業が古びてしまっては遅いのです。

M&Aを決断する場合にも、早ければ早いほど、有利な条件で売却が可能となるのです。

まとめ

経営者が高齢になるにつれ、投資をしなくなり、会社の利益は減少傾向になります。

早めの事業承継対策で、有利なM&Aも検討しましょう。

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