データで見る事業承継の現状Ⅲ 後継者に不足している能力

Pocket

承継二郎
親族内承継において、後継者がいちばんの問題なのは、わかりました。では、具体的に何が問題なのですか?自社の業務ですか?リーダーシップですか?
貝井
自社の業務やリーダーシップも不足しています。しかし、最も不足しているのは、「財務・会計の知識」です」

後継者に不足している能力等

中小企業庁の『中小企業白書』の「規模別の後継者にう即している能力等」によると、以下のようになっています。

5位が「営業力・交渉力」です。

4位が「リーダーシップ」

3位が「次の経営者としての自覚」

2位が「自社の事業・業界への精通」

1位がなんと、「財務・会計の知識」です。

後継者に不足している能力等 データの考察

「営業力・交渉力」「リーダーシップ」「次の経営者としての自覚」「自社の事業・業界への精通」

このあたりが、経営者として必要であるとは誰もが認めるところでしょう。

しかし、「財務・会計の知識」という具体的なスキルが第1位であることは、少し意外ではないでしょうか。

「そんなものは税理士に任せておけばいい。

本業の能力があって、従業員をまとめることができれば、それで問題ない」

という経営者も、多いようにも思えます。

しかし、実際には「財務・会計」の必要性を認識している経営者も多いのです。

 

経営者自身は長い経験で、ドンブリ勘定でも経営していける「カン」を身に着けています。

しかし、そのような「カン」は後継者に承継することはなかなか困難ですし、後継者が「カン」を身に着ける前に会社が倒産してしまっては、意味がありません。

そのためには、「カン」がなくても経営を回せるように、「数値」で会社の状況を把握できるしくみを整え、経営者が「数値」で経営を回していけるようにする必要があります。

そのために、「財務・会計」の知識が必要になります。

 

この「財務・会計の知識」は、他の能力とは異なる点があります。

それは、「経営者が後継者に教えることが困難」ということです。

「営業力・交渉力」「リーダーシップ」「次の経営者としての自覚」「自社の事業・業界への精通」といった能力は、経営者も充分に保有しています。

経営者にこれらの能力がなければ、会社はすでに倒産しています。

経営者が「オレの背中を見ろ」と、いわば、OJTという名目で教えることもできます。

 

しかし、財務・会計に長けた経営者というのは、それほど多くない、というのが実感です。

カンと経験とドンブリ勘定で、なんとか利益を出し、資金繰りを回しているのが現実ではないでしょうか。

このような状況では、後継者に、「財務・会計」を教えようにも、なかなか、教えられない、というのが現実ではないでしょうか。

 

では、どのように、後継者に「財務・会計」の知識を身につけさせればよいのでしょうか。

 

1つ目には、後継者に、財務・会計のセミナーに出席させることがあります。

しかしながら、座学のセミナーだけでは、一般論は学べても、自社にフィットした知識を身に着けることは困難なことが多いでしょう。

2つ目には、後継者教育のコンサルティングを依頼する、というのがあります。

自社にフィットしたコンサルティングを提供してもらえますが、内容やレベルは千差万別ですので、依頼する際にはじっくりと検討してください。

 

ちなみに、私も、「後継者経営家庭教師」という、後継者教育サービスを提供しております。

事業計画を策定し、月次で進捗を管理して、改善案を講じる、という「財務・会計」の基本を使って、PDCAを回していく、という「経営の基本」を後継者に習得してもらう内容になっています。

経営者から、「息子ではなく、自分が受けたかった」とよく言われます。

ちなみに、経営者自身が受講することも可能です(笑)。

 

まとめ

後継者に不足している能力の第1位は、財務・会計の知識です

経営者から、後継者に教えるのは、なかなか困難なので、外部のセミナーやコンサルティングを使うことを検討しましょう。

関連する個別具体的なお悩み解決サポート業務

後継者経営家庭教師